TOEIC® L&R(Listening & Reading Test)の勉強法について、公式の情報をまとめました。内容は、日本でテストを実施している国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の公式サイトによるものです。勉強の進め方については、IIBCが案内していることだけを、誰の言葉かを付けて書いています。問題の構成・スコアとCEFRの対照・受験料はTOEIC® L&Rとはのページ、試験日はTOEIC® L&Rの日程のページ、申し込みと当日の流れはTOEIC® L&Rを初めて受ける人への記事にあります。
試験で問われる力
IIBCは、TOEIC® L&Rを「日常生活やグローバルビジネスで活きる“英語で聞く・読む能力”を測定するテスト」と説明しています。知識・教養としての英語ではなく、オフィスや日常生活での英語によるコミュニケーション能力を幅広く測るテストで、特定の文化を知らないと理解できない表現は排除されている、とも案内しています。問題は英文だけで、英文和訳・和文英訳の設問はありません。出題形式は毎回同じです。
リスニング(Part 1〜4)
音声は1度だけ放送されます。IIBCの解説では、読み上げの速さは、ネイティブスピーカーが日常生活やビジネスシーンで話すときの自然な速さです。
- Part 1 写真描写問題:1枚の写真について4つの短い説明文が放送され、写真をもっとも的確に描写しているものを選びます。説明文は印刷されていません。
- Part 2 応答問題:質問または文章と、それに対する3つの答えが放送され、もっともふさわしい答えを選びます。
- Part 3 会話問題:2人または3人の会話を聞いて、設問に答えます。会話で聞いたことと、問題用紙の図などで見た情報を関連づけて答える設問もあります。
- Part 4 説明文問題:アナウンスやナレーションのようなミニトークを聞いて、設問に答えます。Part 3と同じく、図などの情報と関連づける設問があります。
リーディング(Part 5〜7)
- Part 5 短文穴埋め問題:不完全な文を、4つの答えの中からもっとも適当なもので完成させます。
- Part 6 長文穴埋め問題:長文の空所を、4つの答え(単語・句・一文)の中から選んで完成させます。
- Part 7 読解問題:いろいろな文書を読んで答えます。1つの文書の問題と、複数の文書の問題があります。文書内に新たな一文を挿入するのにもっとも適切な箇所を選ぶ設問もあります。
公式認定証に示される10の項目
IIBCによると、公式認定証には「ABILITIES MEASURED(項目別正答率)」が載り、リスニングとリーディングで5項目ずつの正答率がわかります。項目は次のとおりです。
- リスニング:短い会話・アナウンスなどで、明確に述べられている情報をもとに要点・目的・基本的な文脈を推測できる/長めの会話・アナウンスなどで同じことができる/短い会話などで詳細が理解できる/長めの会話などで詳細が理解できる/フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる
- リーディング:文書の中の情報をもとに推測できる/文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる/1つの文書の中や複数の文書間にちりばめられた情報を関連づけられる/語彙が理解できる/文法が理解できる
レベルの目安
IIBCは、TOEIC® L&Rを、初級から上級まで同じ物差しで英語力を確かめたい人にも使えるテストだと案内しています。CEFRについては、TOEIC TestsはおおよそA1〜C1程度の英語力を測定できる、と説明しています。
レベル別評価の一覧表
IIBCは、リスニングとリーディングのそれぞれについて、スコアの帯ごとの長所(Strength)と弱点(Weakness)を文章で示した「レベル別評価の一覧表」を公開しています。リスニングは3つの帯(495〜375、370〜275、270〜5)、リーディングは4つの帯(495〜425、420〜325、320〜225、220〜5)に分かれています。
- リスニング495〜375:応答が間接的だったり予測しにくかったりする短い会話でも、幅広い語彙が使われていても、話の主旨・目的・基本的な文脈を推測できるとされています。IIBCの一覧表では、一般的に、あまり使われない文法や語彙が出てくるときにのみ弱点が認められる、とされています。
- リスニング270〜5:長所として、写真描写で、写真の主旨に関する短い(一文の)記述が理解できる、とされています。弱点としては、表現が直接的で予想外の情報がない短い会話でも、主旨・目的・基本的な文脈が理解できないことなどが挙げられています。
- リーディング495〜425:文章全体にわたる情報を関連づけられ、幅広い語彙や慣用的な使い方、難しい文法構造も理解できるとされています。一般的に、多くの考えや複雑な考えが少ない単語や複雑な方法で表されている場合や、難解な語彙が出てくる場合にのみ、弱点が見られるとされています。
- リーディング220〜5:広い範囲を読む必要がなく、問題文と同じ表現が文章中にあるときは、事実に基づく情報の問題に答えられます。弱点としては、文章中の情報の推測や、事実に基づく情報の言い換えの理解ができないことなどが挙げられています。
合計スコア(10〜990点)と英語力のイメージ
IIBCは次のようなイメージと説明しています。「目標スコアと必要な学習時間」のページが、TOEIC L&R CAN-DOガイドをもとに、合計スコアの帯ごとの英語力を紹介したものです。
- 400〜495点:基本的な会話を英語で交わせる力。レストランなどでメニューを見ながら注文できる程度。
- 500〜595点:日本語で内容を知っている話題なら英字新聞を読んで理解できたり、親しい人の前で簡単なスピーチができたりする程度。
- 600〜695点:一定のまとまりのある話を理解できる力。知っている話題ならテレビのニュースを英語で理解でき、パンフレットなどから商品の特徴や価格を把握できる程度。
- 700〜795点:英語での読み書きがスムーズにできる力。ウェイターが説明するおすすめメニューを理解したり、英語の小説を原書で読んだりできる程度。
- 800〜895点:初めて見聞きする英語を理解できる力。初見の映画やドラマを翻訳なしで理解したり、社会的な出来事の新聞・雑誌記事を読んだりできる程度。
学習時間・語彙・文法
同じページは、必要な学習時間は現状の英語レベルや目標スコアによって異なると断ったうえで、スコアを100点伸ばすには、ネイティブスピーカーによる英会話研修で300時間前後かかるといわれている、と紹介しています。IIBCは、このページは一般的な英語学習の考え方を紹介するもので、特定の学習法や教材の効果を保証するものではない、と断っています。
語彙については、IIBCの公式の英単語集『公式TOEIC Listening & Reading 英単語』が、過去の出題傾向をもとに厳選した最頻出の1,500語と、コロケーション300(複合名詞・句動詞・セットフレーズが各100)の合計1,800語を収録しています。文法については、IIBCの勉強法のページが、自信がなければ中学レベルの英文法の復習から始めるよう案内しています。
目標スコアの決め方・テストの選び方
- IIBCは、現状の英語力を知るために、まずTOEIC® L&Rを受験することを勧めています。そのうえで、現状より少し上(100点程度上)に目標を置くよう案内しています。
- IIBCは、「レベル別評価の一覧表」で自分のスコアに近い帯を確かめ、弱点の記述から目標に必要な力を確かめるよう案内しています。公式問題集には、正答数を参考スコアの範囲に換算できるものもあります。
- 公式サイトに「おすすめ教材診断」があり、受験経験・現在のスコア・苦手な分野・次の受験予定の4つの質問に答えると、合う公式教材が示されます。
- IIBCは、TOEIC Bridge® Listening & Reading Testsを、初・中級者の「聞く」「読む」英語力を測るテストと案内しています。TOEIC® L&Rより題材が日常的で、問題数・時間は半分、リスニングの速さはゆっくりです。
公式の練習の材料
サンプル問題と公式問題集の入手先は試験のページにあります。そのほかに、IIBCは次の材料を出しています。
公式教材・問題集(書籍)
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集シリーズ:テストを開発するETSが、実際のテストと同じプロセスで作成した問題を収録しています。1冊にテスト2回分(計400問)、本番と同じ公式スピーカーの音声、別冊の解答・解説(日本語訳・重要語句つき)があります。正答数から参考スコアの範囲がわかる換算表もあります。
- 目標スコア別:『500+』は初めて受験する人やまず500点を目指す人向け、『650+』は650点になかなか届かない人向け、『800+』は800点以上を目指す人向け、とIIBCは案内しています。『プラクティス』のリスニング編・リーディング編は350〜700点レベルが対象です。
- ほかの公式教材:『トレーニング』(公式問題をたくさん解く問題集)、『Part 7 速読演習』、『Part 3 & 4 音声速解』、『ボキャブラリーブック』(過去のテストから厳選した1,000語と例文)などがあります。
音声・アプリ・オンライン
- 公式教材の音声:公式教材アプリでの再生か、IIBCのサイトからのダウンロードで、無料で使えます。アプリの利用にはTOEIC申込サイトの会員登録が必要です。
- 公式教材アプリ:公式問題集のアプリ版があります(アプリ内で教材を購入します)。模試モードと学習モード、パートごとの正答率の記録があります。書籍を持っている人には、自動採点のマークシート機能があります(対象外の教材もあります)。
- 公式eラーニング:IIBCは、「基礎編」を初中級者や初めて受験する人に、「Listening & Reading」を全レベルの人におすすめしています。無料体験版があり、本講座は期間ごとの有料です。
- TOEIC公式コンテンツアプリ:60本以上の英会話エピソード(音声とテキスト)と、毎朝のクイズを無料で使えます。
- 穴埋めエクササイズ:文法・語彙の穴埋め問題が毎週メールで届きます。答えと解説はWebページで見られます。会員登録が必要です。
IIBCの勉強法のページ
IIBCは公式サイトに勉強法の記事を載せています。次のような内容です。
- 初心者向けの記事は、基礎的な英文法の復習、頻出単語、英語の発音に耳を慣らすこと、ディクテーションとシャドーイングを勧めています。独学では、多くの問題集に手を出すより、まず1〜2冊に絞るよう案内しています。
出典
- IIBC TOEIC Listening & Reading Test
- IIBC テストの形式と構成
- IIBC TOEIC Programとは
- IIBC TOEIC Program 各テストスコアとCEFRとの対照表
- IIBC デジタル公式認定証・公式認定証の形式
- IIBC レベル別評価の一覧表
- IIBC TOEIC L&Rの目標スコアと必要な学習時間の関係とは?
- IIBC TOEIC L&Rの勉強法|教材の効果的な活用方法・学習スケジュールの立て方
- IIBC 初心者におすすめのTOEIC L&R勉強法
- IIBC TOEIC Testsに向けた「対策」の考え方
- IIBC 公式教材・問題集
- IIBC 公式TOEIC Listening & Reading 問題集
- IIBC TOEIC公式教材の音声ご利用方法
- IIBC TOEIC公式教材アプリ
- IIBC TOEIC公式eラーニング
- IIBC TOEIC公式コンテンツアプリ
- IIBC 穴埋めエクササイズ
- IIBC TOEIC公式教材・おすすめ教材診断
- IIBC TOEIC TestsとTOEIC Bridge Testsって何が違うの?