IELTSの勉強法について、公式の情報をまとめました。IELTSはBritish Council・IDP IELTS・Cambridge University Press & Assessmentが共同で保有する試験で、日本には複数の公式テストセンターがあります。この記事の情報は、3団体共通の公式サイトielts.orgと、日本の公式テストセンターJSAF-IELTS(一般財団法人 日本スタディ・アブロード・ファンデーション)、IDP IELTSの日本のサイトと英語の全体サイト(ielts.idp.com)の案内によるものです。バンドスコアと受験料はIELTSとはのページ、試験日の探し方はIELTSの試験日と申込のページ、JSAF-IELTSでの申し込みと当日の流れはIELTSを初めて受ける人への記事にあります。

試験で問われる力

IELTSはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測ります。アカデミックとジェネラル・トレーニングがあります。以下はielts.orgの説明です。

リスニング

Part 1・2は日常の社会的な場面(2人の会話、1人の話)、Part 3・4は教育や研修の場面(例:大学生どうしの議論、学術的な題材の話)です。録音は1度しか聞けません。イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・北米のアクセントが使われます。設問の形式ごとに、次のような力が測られます。

  • 多肢選択:細かな点の理解や、要点の理解。マッチング:詳細な情報を聞き取る力、2人の会話についていく力。
  • 地図・図の補完:場所の説明と図の関係、道案内の理解。フォーム・メモ・表・フローチャートの補完:聞き手が自然に書き留める要点をつかむ力。
  • 文の補完・短答:重要な情報や原因と結果などの関係を見分ける力、場所・値段・時刻などの事実を聞き取る力。

リーディング

アカデミックの文章は、本・学術誌・雑誌・新聞・オンラインの資料から取られ、専門外の読者に向けて書かれています。少なくとも1つは詳細な論理的議論を含み、専門用語には簡単な辞書的定義が付きます。ジェネラル・トレーニングは、セクション1が掲示・広告・時刻表など日常の文章、セクション2が職務内容の説明・契約書・研修資料など仕事の文章、セクション3が一般的な関心のある長めの文章です。設問の形式ごとに測られる力は次のとおりです。

  • True/False/Not given:文章中の具体的な情報を認識する力。すでに知っていることは使わないよう、注意が書かれています。Yes/No/Not given:書き手の意見や考えを認識する力。
  • 情報のマッチング:具体的な情報を探すスキャンの力。見出しのマッチング:段落の主題をつかみ、主要な考えと補足を区別する力。特徴・文末のマッチング:事実どうしの関係や意見・理論の認識、主要な考えの理解。
  • 要約・メモ・表の補完、図のラベル、短答:詳細や主要な考えの理解、記述と図の対応づけ。要約・メモ・表・フローチャートの補完では、空所に入る語の種類(名詞か動詞かなど)を考える必要がある、とielts.orgは書いています。

ライティング

課題は2つで、Task 2はTask 1の2倍の重みで採点されます。アカデミックのTask 1は、グラフ・表・図表・図解の情報を自分の言葉で説明する課題です。ジェネラル・トレーニングのTask 1は、状況に応じて手紙(個人的・準フォーマル・フォーマル)を書く課題で、含める内容が3つの箇条書きで示されます。Task 2はどちらも、示された意見・議論・問題について、根拠や例(自分の経験でもよい)を挙げて論じるエッセイです。

スピーキング

Part 1は身近な話題の質問に答え、日常の話題について意見や情報を述べる力を見ます。Part 2はタスクカードのテーマについて、準備の時間のあと、ひとりで長く話し、考えを論理的に組み立てる力を見ます。Part 3はPart 2のテーマを一般的・抽象的に話し合い、意見を説明し、分析・議論・推測する力を見ます。

レベルの目安

ielts.orgのCEFRのページは、IELTSはレベル別のテストではなく、より広い範囲の力を測るように作られているため、バンドスコアとCEFRのレベルは1対1には対応しない、と説明しています。比較の図は総合のバンドスコアについてのもので、技能別のスコアには当てはまりません。対応そのものはIELTSとはのページにあります。同じページは、C1の下限は6.5と7のあいだにあり、6.5の人の多くはC1だが少し下回る人もいるため、高い確度でC1を求める機関は7を要件にすることがある、と書いています。

バンドスコアが示す英語力

以下は、ielts.orgのバンドスコアの説明です。

  • 9(Expert):言語を完全に運用でき、使い方は適切・正確・流暢。8(Very good):完全に運用できる。体系的でない不正確さがときどきあるだけで、慣れない状況では誤解することがある。複雑で詳細な議論をうまく扱える。
  • 7(Good):運用できるが、時折の不正確さや誤解がある。複雑な言語をおおむねうまく扱い、詳細な論理を理解する。
  • 6(Competent):不正確さや誤解はあるが、効果的に使える。特に慣れた状況では、ある程度複雑な言語を使い、理解できる。
  • 5(Modest):部分的に運用でき、たいていの状況で全体の意味はつかめるが、間違いを多くしやすい。自分の分野の基本的なやり取りはできるはずです。
  • 4(Limited):基本的な能力は慣れた状況に限られ、理解と表現にしばしば問題がある。3以下は、ごく慣れた状況で一般的な意味を伝え理解するだけ(3)から、孤立した少数の語しか使えない(1)まで。

リスニング・リーディングの正解数の目安

リスニングとリーディングは、1問1点の素点がバンドスコアに換算されます。ielts.orgが示す平均的な正解数は、リスニングがバンド5で16・6で23・7で30・8で35、アカデミックのリーディングがバンド5で15・6で23・7で30・8で35です。ジェネラル・トレーニングのリーディングは、バンド4で15・5で23・6で30・7で35と、同じバンドに必要な正解数が多くなっています。正確な数は問題の版によって少し変わると書かれています。

受ける試験・目標の決め方

  • どちらを受けるかは初めて受ける人への記事にあります。ielts.orgは、選ぶ前に提出先の要件を確かめるよう案内しています。
  • JSAF-IELTSのサイトは、IELTSに不合格はなく、各組織が入学の最低バンドスコアを独自に設定しているので、必要な条件を受験前に確認するよう案内しています。
  • IDP IELTSの英語のサイト(ielts.idp.com)に「English self-assessment tool」があります。リーディングとリスニングの20問に答えるとすぐにスコアと準備のヒントが出ます。問題は本番より短い版と書かれています。
  • ielts.orgのIELTS Trial Testは、参加している公式の会場で、リスニング・リーディング・ライティングを本番に近い条件で受け、試験官の採点とフィードバックを受けられる無料の体験テストです。結果は公式のスコアではありません。

公式の練習の材料

ielts.orgの公式サンプル問題の入手先は試験のページにあります。リスニングには解答と音声スクリプト、リーディングには解答、アカデミックのライティングにはTask 2の答案例(バンドスコアと試験官のコメント付きのPDF)、スピーキングにはサンプルタスク(PDF)が付いています。そのほかの材料は次のとおりです。

  • ielts.org:ライティングの採点方法を説明する動画シリーズと採点基準のPDF。受験者向けガイド(PDF)には、試験の形式を知る、サンプル問題で練習する、準備講座に申し込むといった準備の例が載っています。British Council、IDP IELTS、Cambridge Englishの各サイトへの案内もあります。
  • JSAF-IELTS:コンピューター版の無料サンプルテスト(リスニング、アカデミックとジェネラル・トレーニングのリーディング、アカデミックのライティング。解答は保存されません)、操作のチュートリアル動画、5.0〜8.5のスコア別(6.5はありません)のスピーキングのサンプル動画。JSAF-IELTSの受験料を支払うと届くメール(コンピューター版を受ける人には別の案内が届きます)から、マッコーリー大学が監修する無料オンラインコース(1技能約25時間分。1技能30日間、または全技能4日間のアクセス)を使えます。特典には一部有料のものもあり、JSAF-IELTSのサイトは無料の特典が予告なしに終わることがあると書いています。
  • IDP IELTS(日本のサイト):IELTS Familiarisationテスト(自宅のパソコンでコンピューター版とほぼ同じ画面を体験できます。時間制限と自動採点はなく、解答は自分で確かめます)、『IDP IELTS公認問題集』(有料の書籍。IDP Educationと専門校English Innovationsが作った日本語の問題集。模試2回分、ライティングの中級・上級のサンプルエッセイ入り)。

ライティングとスピーキングの採点の観点

ライティング

認定を受けた試験官が、各課題を別々に、4つの観点で採点します。

  • 課題の達成(Task 1)/課題への応答(Task 2):課題の要求にどれだけ十分・正確に応えているか。アカデミックのTask 1は、要点を選び、数値や傾向を正確に報告し、違いを比べているか。ジェネラル・トレーニングのTask 1は、手紙の目的を説明し、3つの箇条書きに応えているか。Task 2は、主な考えを展開して裏付け、立場を明確にしているか。
  • まとまりとつながり:情報や考えが論理的に並び、段落が適切に分かれ、つなぎの語や指示語が使われているか。
  • 語彙:語彙の幅、正確さ、適切さ、コロケーションや慣用表現、綴りと語形の誤りの多さ。
  • 文法の幅と正確さ:単文・重文・複文などの幅、正確さ、誤りの多さ、句読点。

話題に関係のない答案、箇条書きやメモの答案は減点され、盗用は厳しく減点されると書かれています。

スピーキング

次の4つの観点が同じ重みで評価され、平均がスピーキングのスコアになります。

  • 流暢さと一貫性:不自然に遅くなったり、言い直しや沈黙で途切れたりせず話せるか。話が論理的に並び、つなぎの語が使われているか。
  • 語彙:語彙の幅と適切さ。知らない語を別の言い方で言い換えられるか。
  • 文法の幅と正確さ:文の長さ、従属節などの複雑さ、誤りの多さとそれが伝わり方に与える影響。
  • 発音:意味のまとまりで区切れるか、リズム・強勢・イントネーション、個々の音、聞き手が理解するのに要する労力。

バンドごとの詳しい記述は、ielts.orgのライティングとスピーキングのバンド記述(PDF)にあります。

出典